いちばん伝えたいことは何?
タイトルが無い本や映画はありません(あるのかな?)。タイトルがなければ、何に関して書かれている本なのか、何について描いた映画なのか、読破し視聴を終えるまで理解することはできません。先週読んだ本のタイトルは「集団の思い込みを打ち砕く技術」、「世界一流のエンジニアの思考法」。どちらも何についての話なのかをたちまち想起させるもので、さすが編集者さんたちのネーミングセンスはスゴイなあと思わされます。 Eメールの件名、本や映画のタイトルと同じように件名を見るだけで内容をほぼ正確にイメージできるものだと、メールの受信者はうれしいですよね。開かなくても「いま開封すべきかどうか」「スグに目を通すべきか」を判断することができる。 資料やプレゼンの表紙も同じ。何についての資料なのか、プレゼンなのか、をその一文で伝えることができるかどうかを熟慮した上でタイトルが付けられているか否かで、つまり、受け手全員が同じ認識でその先に進むことができるか否かで、資料やプレゼンの効果は大きく変わる。 そして最も重要なのはタイトルの後、当然その中身。 もっとも伝えたいことは何なのか。伝えたいことがひとつならひとつ、みっつならみっつ、メール本文、資料のコンテンツ、プレゼンで説明する内容、他はぜーんぶ忘れていいからこれだけは脳ミソに刻んで欲しい、というポイントが必ずあるはず。それにフォーカスして資料もプレゼンも整理する。 情報量を極力減らす努力と思い切りは大切なのかもしれません。 ボクの経験上、取引先相手だろうが社内メンバー相手だろうが受け取り手の脳ミソの負荷を減らしたコミュニケーションのほうが喜ばれます。たーくさんの情報を一度に渡しても、どんな優秀なひとであってもすべてをすぐに消化することはできないですから。 最悪なのは、もっとも伝えたいことが多くの情報量の中に埋もれてしまうことです。付加的な情報は受け取り手からリクエストされたときに渡す、くらいの感覚でOKじゃない? 「これだけはわかって欲しい」 その一点のみに集中するのがまずはいいようにボクは思います。 Appleがどういう会社かを説明するとき、最初に「アメリカ合衆国カリフォルニア州クパティーノ市に本社を置く多国籍テクノロジー企業で、デジタル家庭電化製品、ソフトウェア、オンラインサービスの開発・販売を行っている会社です。」とは言うわけもなく、「iPhon...