自分OSちょいアプデ
過去も現在も改めて周りを見渡してみると、いやあスゲェひとが多いんだよな。
ボクも少しくらいはスゲェくなりたい。
以前優秀バイアスで書いたように、
「どの能力がスゲェのかはひとそれぞれなのであるから、ある場面においては自分が劣っていても他の場面で優れていればいいんだよ」
という考えは変わっていないものの、なんというかそういった能力群が乗っかる基礎的能力、すなわち自分OSのアップデートに取り組む意識を持っておいた方がよさそうと最近考えはじめた。そのことで、その上に乗っかる能力(アプリ)も当然高くなってスゲェに近づけるだろうから。
というわけで、自分OSのアプデについて考えてみる。
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例えば、サーフィンの能力(アプリ)は以下で構成されると言えそう。
それらの能力が載っかるOSの機能が「持久力」や「筋力」なんだろうね。
1.天気(波)を予測する力(予測力)
2.波待ちポイントに到達できる力(論理理解とテクニック)
3.乗るべき波をチョイスする力(観察力)
4.その波に乗る権利を得る力(競争意識とテクニック)
5.波を乗りこなす力(論理理解とテクニック)
さらに、ネイティブじゃないひとに求められる英会話能力(アプリ)は以下。
そしてそれらの能力が載っかるOSの機能として、「英語圏の文化理解度」や「会話する機会を作る行動力」などがそれにあたるのでしょうね。
1.語彙力
2.文法理解力
3.リスニング力
4.文章組立力
5.発音力
で、いつものように翻ってビジネス界隈。
ビジネスに必要とされる能力(アプリ)としては、どんな業界であっても、そこにおけるどんなポジションであったとしても根本的に必要なものは以下の5つじゃあないかと思う。
1.自己管理力(時間やエネルギーの管理、ストレスや感情のコントロール、目標達成に向けたモチベーション)
2.課題発見力(現状を深く分析し、目的や課題を明らかにする力)
3.目標設定力(いまある課題を取り去るため、理想の将来に導くための的を射た目標を設定できる)
4.コミュニケーション力(社内外さまざまな人たちと信頼関係を築き、目標に向けて協力し合える)
5.達成力(目標や決断したことを実行に移し、達成までの困難を乗り越える強い意志とそれに必要な能力)
そして、これらが載っかるOSが持つべき機能はなんだろうと考えてみると、
・リソースコントロール力
・記憶する力
・突破する力
のようなものがアタマに浮かぶ。
というわけで、これらOS機能をどうアップデートできるかを考えてみる。
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リソースコントロール力「マルチタスキングを捨てろ」
自分の時間や意識を何にどう向けるかで結果はずいぶん変わるはず。
ムダだと思えることとはできるだけ距離をとって、やるべきことに時間も意識も費やすことに集中できるようになりたい。
拠り所になるようなもんはないんかねとボンヤリ考えてると、「コグニティブなんとかってのあったよなあ」と思い出した。それをキーワードに調べてみるとあったあった、認知負荷理論(Cognitive Load Theory)っての。へぇ・・Guns N Rosesが初来日した1988年にオーストラリアの教育心理学者が提唱した理論らしい。ずいぶん前のもんなのね。
その理論を要約してみると以下。
・特に学習や思考に関する能力を高めるための概念
・脳にインプットされた情報を処理し理解するために、集中したり思考したりすることによって脳のエネルギー量を消費することを「認知的負荷」と定義する
・人間の脳のエネルギー量にはPCやスマホと同じで限りがあるわけなので、「何を脳にインプットするのか」をどう効率良くコントロールするかが成長やパフォーマンスに大きな影響を与える
・そしてそのエネルギー量自体を増やすことは脳の処理能力をあげることと同義
・脳の処理能力を上げるには、今のエネルギー量の範囲を超えないように脳へのインプットをコントロールするというだけではなく、少し強めの良い負荷をかけ続けるようにコントロールすることが肝要
そしてその認知負荷にはどういう種類(脳のエネルギーを消費するパタン)があるかというと・・
・内的負荷(Intrinsic Load): 新しいことを学ぶ時に消費する
・外的負荷(Extraneous Load): 煩雑或いは冗長で不明瞭または無関係な情報や説明に接しそれを理解しようとする時に消費する
・有益負荷(Germane Load): 新しい知識を既存の知識と関連づけて構造的な理解を深める時に消費する
というもの。
そして「外的負荷」ってのが邪魔者で、それが過剰に高まり脳のエネルギー資源を無駄に消費している状況を「認知的過負荷(Cognitive Overload)」という。この認知的過負荷の例としては以下。
・会議中に別の会議の資料を作成していたり、メールやチャットに返信していたり
・プロジェクトAのタスクに手を付け、それが完了しないままプロジェクトBのタスクに手を付けながらプロジェクトCからのリクエストを読み返したり
人間の脳がこういったマルチタスキングに適していないことはある研究によって証明されてる。脳が複数のタスクを同時にこなせるわけではなく、単にフォーカスするタスクを切り替えるスイッチングをしてる(シングルタスク間を行き来している)だけで、というわけ。
このスイッチングは、時間と認知リソースを消費し、その結果注意力が散漫になって、思考や作業の効率が低下してしまう。さらに、タスクの切り替えによって新しい情報に集中するための時間が失われ、学習や思考が断続的になってしまう。
もっと日常的な例を挙げるなら、たくさんのWebブラウザーのタブを開いてることもそう(ボクもそう)。どのタブが重要でどれがとりあえず開いてみたものかを適切に理解していない、この場合も外的負荷が高まる(タブのグルーピングが少しは助けになってるけど)。
「その時最も大切なタスクに集中しそれをやり切る。それまでは次のタスクには取り掛からない」
できるだけそうすることが外的負荷を減らし、その減少枠をもっと内的負荷や有益負荷(つまり学習)に割り当てることがひとつのポイントなのでしょう。
Ah-Ha!メッチャ簡単なことじゃん!
これを意識し実行するだけで自分OSの性能を上げることになるのは論理的には間違いなさそう。早速試してみようと思う。
※この無用なスイッチングを減らすことと、同僚との密なコミュニケーションがトレードオフにならないように気を付けたほうがいい。あるタスクを完了させるために集中しているときに話しかけれられたとして「いま話しかけないで!」と自己中心的に返してしまうことは信頼関係を損なうなど別の問題を起こしてしまい、本来タスクに充てられるはずだった脳のエネルギーをその修復に消費しなければならない、となってしまっては本末転倒。
記憶する力「脳への負荷を高めろ」
マルチタスキングをやめることで脳のエネルギーを無駄な外的負荷に消費するような状況をできるだけ排除し、内的負荷・有益負荷に多くのエネルギーを割り当て、その結果効率的に学習することができるようになったとしても、その学習したことを記憶し続けることができなければそりゃ当然無価値。
スゲェなって思えるひとたちは総じて記憶力がいいわけで。自分OSのイチ機能としての記憶力を上げる努力をすることはマストでしょ。
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では記憶ってナンデスカ?ってところから探ってみようってことで、まさに内的負荷を高めにかけて調べてみると、脳にはにはどうやら感覚・短期・長期の3段階が在るらしい。
感覚記憶(Sensory memory):
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚などの感覚器官から送られてきた情報を瞬時に保持した記憶。視覚で1秒程度、聴覚で4秒程度のもの。例えば、見たものや聞いたことが一瞬だけ記憶に残る状態。つまりPCでいうところのRAMかね。
短期記憶(Short-term memory):
ワーキングメモリ。感覚記憶がさらに処理され、意識的に使われる情報が保持される場所。短期記憶は時間的に短く(15~30秒程度)、容量も限られているけど、必要な情報を保持して作業を行うために活用される。例えば、会話をしているときの一時的な理解をするときに使う。同じくPCに例えればCPUキャッシュや一時ファイルだな。
長期記憶(Long-term memory):
学習した情報が定着し、長期間にわたって保持される記憶。長期記憶には、宣言的記憶(事実や出来事)と手続き的記憶(スキルや手順)がある。例えば、宣言的記憶には自宅住所や電話番号・友達の結婚式に立ち会った経験など、手続き的記憶には、自転車の乗り方やサーフィンの仕方などが挙げられる。PCならHDDやSSDなどに記録されたデータってことか。
感覚記憶のうち、興味・関心を持ったものは短期記憶となる。短期記憶のうち、すごく重要なものや繰り返し見聞きした情報は長期記憶に移され、その情報は必要なときに取り出して使う、という関係。
なるほど。できるだけ多くの重要な情報を長期記憶に意図的に移すこと、すなわち記憶力を高めることは、行動を変えることによってできるのかもしれない。
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ビジネスミーティングのシーンを例にとって記憶力を高めるために留意すべきことが何であるか考えてみると・・
・ミーティング中に行き交う情報に集中する。そのことで全ての情報が漏れなく感覚記憶になる。
・見聞きした情報の中から重要なものはどれであるかを選別する意識を持つ。そのことで感覚記憶のうち重要なものが短期記憶となり、数十秒は脳に保持される。
・短期記憶となったものは、その後に入ってくる情報と意味付けや関連付けする意識を持ち、さらに重要な情報を特定する。そのことが長期記憶に導く。
となる。続いて認知的負荷の概念をまた引っ張り出して加えてみる。
・ミーティング中に行き交う情報のうち、すでに自分が知ってる情報や理解している情報の内的負荷(新しいことを学ぶ時に消費する脳のエネルギー)は低い。
・よって自然と新しい情報や難解な話題を理解しようとすることに対して内的負荷が高まる。
・このとき、「ミーティング中に行き交う情報に集中し、新しい情報や難解な話題を理解しようとしている」ことに脳のエネルギーをちゃんと内的負荷に消費して理解につなげたいのに、そこから外れてメモをとるような行為は外的負荷が高くなってしまう(集中➔メモ➔集中➔メモとタスクのスイッチングを繰り返すことになってしまい脳にとってはムダに負荷が高まりすごく非効率)。
・メモをとっている間は、行き交う情報に集中するレベルが極端に下がり、その情報が短期記憶はもちろん感覚記憶となることを阻害してしまう(あ、このことも結局ミーティングに参加しながらメモをとるなんていうマルチタスキングな能力は持ってないんだよ、ってことを証明してるのか)。
つまり、記憶力を高めるには、その場で行き交う情報に集中することだけ、それ以外は何もしない、ということが大切。
メモはとらず、新しい情報や難解な情報の理解やそれについての議論にとにかく集中することが、記憶力を高めるための心得なのだと思う。集中すると、短期記憶となったものがその後に入ってくる情報によって意味をもったり関連付けされたりして長期記憶となるのだから。
これはミーティングだけでなく、資料や記事を読むとき、セミナーに参加しているとき、こういうシーンにおいても同じ取り組みが有効なんだろう。
・とにかくそのことに集中すること
・そしてその集中から決してスイッチングをしないこと
このふたつが重要情報の適切な選別と、その重要情報の長期記憶化を促す。
この取り組みを繰り返すことは、継続的にちょっとだけ強めの負荷を脳にかけ続けることになり、そのことによって脳の処理能力=記憶力が徐々に高まる、それにより自分OSがアップデートされるということなんだと思う。
突破する力「ヒラメキを増やせ」
宇宙のすべての出来事、思考、感情、経験が記録されているエネルギー場、それがアカシックレコード、そう呼ばれてる。
なんだよ急にスピリチュアルだな、って思われるだろうけど、量子力学的に考えるなら「人間などの意識や経験・知識が素粒子で繋がる場所であって、その過去・現在・未来全ての情報が記録されているエネルギーのフィールド」のことであって、いずれ量子力学が証明してれることのひとつなんだろうなと思ってる。
進撃の巨人における「道」や「座標」の概念も、アカシックレコードのそれに酷似してる。すべてのエルディア人の意識が「道」を通して「座標」で繋がるという設定は、個々のエルディア人の意識や経験が、全体としての集合的な存在と繋がり、共有されているというもの。そして九つの巨人の一人である「進撃の巨人」は過去・現在・未来の出来事全てを閲覧することができる能力を持っている。そのことはアカシックレコードにアクセスすることができているということなんだ、とボクは勝手に理解している。
閑話休題。
アカシックレコードにアクセスすることは、個人が過去・現在・未来に関する深い洞察を得るための鍵。
アクセスするための方法として「瞑想」が最も広く実践されていて、これにより意識の雑音を静め、内面の深い部分と繋がることができるとされている。この状態では、ボクらの意識が通常の枠を超えて、ゼロポイントフィールドやアカシックレコードといった普遍的な情報源と繋がることが可能となると考えられている。
何を言ってるかというと、例えばシャワーを浴びているとき、ずっと考え続けていた課題に対する解決のヒントを突然思いついたことはないですか?ボーッとしているときに急に、ずっと悩んでいたことへの対応策を思いついた経験はないですか?ってこと。
このヒラメキを意図的に起こせるようにしよう、ということです。
ヒラメキは自分の脳が引き起こしたものと考えてしまいがちですが、実はアカシックレコードにアクセスし、考え続けていた課題やずっと悩んでいたことに関連する情報を(過去・現在・未来全ての情報の記録から)そこから引き出せたことで起きている、ということなんだと思ってる(※量子力学的に言えば、考え続けていた課題・ずっと悩んでいたことが発する周波数とアカシックレコードに記録された関連情報の周波数が合致したことで得られるヒラメキ。過去記事「ビジョンチャンネル」参照)。
というわけで、1日のどこかで5分でも10分でも瞑想してみることがオススメ。ボクは毎日ランチタイムに実践してる。
瞑想で本当にヒラメキを起こせるかをボクなんかが保証できるわけはないんだけど、例えばスティーブ・ジョブズも実践してたし、Googleの社内研修プログラムの一環としても取り込まれてることを鑑みると少しだけ意味ありげに感じたりして。
簡単にやれることだし、ヨガだとかなんだとかの世界に抵抗あるひとでも、自分のOSをアップデートする方法として定義しなおせばスッと始められそうでしょ。
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ああまた長くなっちゃったな・・まとめ。
自分OSをアップデートするために効果がありそうだとボクが考える方法は、この3点。
・スイッチングを無くす(タスクとタスクを予定外に行ったり来たりしない)➔このことでムダな脳の働きを排除できる
・ミーティング中はメモなどとらずに新しい情報や難解な情報の理解に集中する➔このことで記憶力が高まる
・一日のどこかで5分でも10分でも瞑想してみる➔ヒラメキが起きる機会を増やす
これくらいのちょいアプデならさ、明日からやれそうじゃない?
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